■国際電話からのワン切りは通話料を稼ぐのが目的
数年前からニュース等でも取り上げられ、繰り返し注意喚起されていますが、国際電話からと意識せずにワン切りに折り返してしまうと、高額な通話料金があとから請求されます。その料金の一部が現地の電話会社から詐欺グループにキックバックされる仕組みの詐欺です。
+で始まる電話番号のワン切りは完全に無視しましょう。
■非通知番号からのワン切りは情報収集が目的
今回取り上げるのは国際電話ではなく、発信者番号が表示されない非通知設定の電話からのワン切りです。折り返すことはできませんので、通話料金が請求されるようなことはありませんが、深夜や早朝だと迷惑ですし、なんとも気持ち悪いです。
こうした非通知のワン切りは、嫌がらせ目的の場合もないとはいえませんが、その電話番号が使われているかどうかの確認が目的の場合がほとんどです。
どこからか入手した電話番号一覧をプログラムで読み込み、自動で電話をかけてコール音を聞き分けた結果を記録していきます。
A.普通のコール音
B.話中のコール音
C.電源オフまたは圏外のアナウンス
D.利用停止または休止のアナウンス
E.非通知着信拒否等のアナウンス
に分けて記録していき、B.とC.については別のタイミングで再確認します。
調査の結果がA.のリスト、すなわち現在使われている番号の一覧ができあがり、これが様々な用途に活用されることになります。
まっとうな用途として、金融機関等の与信管理や特定分野の商品の販売勧誘に使われることもありますが、詐欺グループの手に一覧が渡ったり、そもそも詐欺グループが調査していたりするケースが問題になります。
■非通知ワン切りのあとから詐欺などの犯罪がやってくる
調査にはどこからか入手した電話番号一覧が使われますが、頻繁に発生している個人情報漏えい事案によりダークウェブ(闇サイト)に出回るリストが、詐欺グループにとって入手しやすいものとなっています。
リストはダークウェブ内で販売されているものもありますが、ランサムウェアに感染して漏えいした企業等が身代金の支払いを拒否したため、ダークウェブ内で公開されているものもあります。
同じリストを複数の詐欺グループが入手した場合は、何度も調査が行われ何度もワン切りがかかってくることになります。
こうして現在使われている番号一覧に掲載された後は、そのリストの別の項目から詐欺グループがターゲットを絞り込んでいき、実際の詐欺や他の犯罪へとつながっていくことになります。
本ブログでも取り上げているフィッシング詐欺により、偽サイトに多くの個人情報を入力してしまった場合には、最悪のケースとしてSIMスワップによりスマホが乗っ取られる可能性もあります。
■どうすればいいのか?
個人情報漏えいの事案がこれほど繰り返し発生していては、必ずどこかの詐欺グループのリストに自分の電話番号が入っていると考えて間違いありません。
したがって、逃れるすべはありません。で終わっては、ここまで読んでいただいた意味がありませんので、一つの方法としてコール音聞き分けプログラムの記録で
E.非通知着信拒否等のアナウンス
となるように設定することで、用心深い相手であると思わせることをお勧めします。泥棒と同じで手間がかかりそうだと諦めて別の相手のところに行く可能性が高くなるからです。
最後に、各社の設定方法の案内へのリンクを掲載しておきます。